もっと肌の自活力を信頼しましょう

そもそも肌は、外からあれこれと世話を焼かずとも、みずからうるおい、皮脂を出して、バリアをつくる自活力をもっています。

肌は環境に合わせて、角質の厚みを調整したり、汗や皮脂の分泌を調整するはたらきがあります。

それはわたしたちが寝ている間も、お風呂に入っているときもつねにおこなわれています。

資生堂ライフサイエンス研究センターで、「外界の湿度と肌の関係」をあきらかにした研究があります。

湿度10%以下、湿度40~70%、湿度80%以上の3つの部屋を用意して、被験者に1週間以上過ごしてもらいます。

その後、肌の水分量を比較するのですが、低い湿度の部屋で過ごした人ほど肌の角質層が厚くなり、バリア機能も向上していたことがわかりました。

そのことからわかったのは、皮膚はセンサーをはたらかせ、外気の温度や湿度をつねにモニタリングし、角質層の水分量や皮脂量などを調整しているということでした。

皮膚は状況に応じて、みずから調整をはかる力をもっているのです。

だから、まず肌の自活力を信頼すること。

そして肌におまかせするのがスキンケアを考える第一歩なのです。

たとえば、今までみなさんがあたりまえのようにやってきたスキンケア…

朝晩しっかり洗顔する、化粧水をじゃぶじゃぶ使う、美容液にクリームとお肌にたっぷり栄養を与える…

こうしたスキンケアは、かならずしも自活肌にとっての正解とはかぎりません。

残念ながら、肌の声を感じとることもせず、盛りだくさんのスキンケアがルーティンワーク化している人が少なくないのです。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」といいますが、肌にとって「過ぎたる」は大迷惑。

お肌にとってはぜんぜんうれしくない、どころか、皮膚トラブルのもとになることもあります。

肌の状況をきっちり把握する

あなたの肌にふれてみてください。

ベタついていますか?

カサついていますか?

それとも、しっとりとうるおっていますか?

朝起きたら、まずは肌をさわってたしかめてみましょう。

それを感じとってから、必要なケアだけを選びとってあげる。

スキンケアには「バランスを知る」感性が必要です。

朝起きぬけに肌をさわったら、肌表面がザラザラしてゴワつく感じがあるなら、洗顔やソフトピーリングで古い角質を落としてあげましょう。

ちょうどよい感触で、足りないものも過剰なものもないようだったら、さっと水で洗うだけでも大丈夫。

何もしない日があってもいいと思います。

スキンケアをしないことに、手抜きの後ろめたさを感じる必要はありません。

むしろ手抜きケアこそ、スキンケアの王道。

なるべく手をかけすぎないで、自活肌サイクルをつくることが、この本がめざすスキンケアです。

これまで学んできたスキンケアの常識は1度リセットしましょう。

たとえば、肌をさわって直感的に必要と思ったスキンケアだけをしてあげる。

たったそれだけで肌は調子が整っていき、結果として、美肌に近づくはずです。

美しい肌とは、特別なケアをしなければ手に入らないものではなく、生まれつきの素質がないと実現しないものでもありません。

子どものころ、みんなきれいな肌をしていたように、みんな肌本来のきれいをもっているのです。

30代、40代、50代、60代…年齢を重ねても、年相応のきれいな肌でありつづけることを目指しましょう。